スペイン語では、ラテン語から変化する途中、その対格をもとに単語を作りました。凡そラテン語の後裔たるロマンス諸語は大体みんなそうだと思ってるんですが、レト=ロマン語とフランス語とルーマニア語でもそう言えるか自信がない。
さてスペイン語の話に返ります。
単数対格曲用語尾の-mはじゃまくさいのでそのうち脱落してしまいました。
対して、多数の名詞における複数対格曲用語尾である-sは、「sつけときゃ複数形だってわかりやすいだろ」みたいな理由で、現在も残って、スペイン語名詞の複数形を表すしるしになっています。
ラテン語の第3、4、5曲用名詞なんかには必ずしも-sで複数対格を表すわけではないそれがあったりするんですが、スペイン語ではガン無視というか第1、2曲用からの類推でまかなわれることになりました。何しろめんどいから私でもそうするわい。
<h3>-mとか-sで単数対格もしくは複数対格になってくれない奴らの例</h3><dl><dt>第3曲用名詞</dt><dd>mare(単数主格・対格同形)>maria(複数対格)</dd><dt>第4曲用名詞</dt><dd>cornu(単数主格・対格同形)>cornua(複数対格)</dd><dt>第5曲用名詞</dt><dd>rem(単数主格・対格同形でない)>res(複数対格)あれ、これ問題なくね?</dd></dl>
<cite><a href="http://amazon.co.jp/dp/4475018137/">『ラテン語からスペイン語へ』</a>の31、35、36ページよりそれぞれ引用</cite>
生意気なので前二者にはむりやり-mをつけてやりたいですね! まったく!
<h4>ところで単数で主対格が同系の名詞は……</h4>ギリシャ語の中性名詞を思い起こさせます。あれは単数の主対格が同形で、しかも複数主格の語尾が大体-aでした。この-aは元々は集合を表す語尾だと某語学者から聞いたのですが出典が定かではありません。
既述のcornu(「つの」の意、まさしく中性名詞)とかまじ彷彿とさせますね。
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