Weckt die Toten!
もう1年くらい前になるか、「皇帝ハイレ・セラシエ」という本を読んだのだが、作中にエチオピア飢餓について皇帝含め政府が世界中から非難を浴びたときのエピソードがあった。
「多くの人を、死に至らしめている飢餓の問題は、どうなっていますか」と、彼らは尋ねました。皇帝ハイレ・セラシエ―エチオピア帝国最後の日々: R・カプシチンスキー、山田 一広訳より抜粋(163ページ)
すると、
「私は、そのようなことについては何も知りません」と、情報大臣が答えます。
情報大臣が必ずしも嘘をついているわけではないことを、私は、明言しなければなりません。まず、飢餓は何百年もの間、我が国に存在していたのです。つまり、日常的で自然な事柄であり、誰もそれについて騒ぎたてることなど考えもしなかったのです。旱魃が起こり、大地が干上がり、家畜が倒れ、農民が死ぬ――これは普通のことで、自然の法則と物事の永遠の秩序に従っていたわけです。このことは、長いこと続いてきたまったく当たり前のことだったので、高官は誰一人として、高貴なる陛下に、これこれの州で誰々が餓死したなどというニュースをわざわざ聞かせてわずらわせようとは考えもしなかったのです。
もちろん、慈悲深い陛下は、ご自身で各地を回られました。しかし、飢餓が存在するような貧しい地区に足を停められる習慣はなかったのです。
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